富士電機株式会社が2022年10月20日に出したニュースリリース「大幅な省エネを実現する「サステナ自販機シリーズ」の発売について」は、「年間消費電力量を当社従来機比で最大20%削減」と書いています。注記には「30セレクションの場合」とあり、605kWh/年は2022年度機、485kWh/年は2023年度機の値です。
カタログや発表資料に出てくる「kWh/年」について、メーカーの資料とトップランナー制度のページに書かれていることを順に追います。
サステナ自販機シリーズのリリースにある省エネの手段
リリースに書かれた発売開始は「2023年1月」です。特長の「消費電力量を最大20%削減(省エネ)」の項には、次の取り組みが書かれています。
- コンプレッサ(圧縮機)の駆動制御にインバータを適用
- 庫内の構造や真空断熱材の配置を最適化
- 気流を解析し、冷気や暖気を効果的に制御
リリースの「背景」には、富士電機がこれまで、ゾーンクーリング/ヒーティング、冷却時の排熱を加温に再利用するヒートポンプ技術の開発、断熱材の適用などによって消費電力量の削減を図ってきたことが書かれています。続けて、「ここ数年は、決済方法の多様化や自販機の大型化傾向などもあり、消費電力量は横ばいで推移しています」とあります。そのうえで、「パワーエレクトロニクス(電力変換・制御技術)で消費電力量を大幅に削減」する「サステナ自販機シリーズ」を開発した、と述べています。
特長には省エネのほかに、売上や在庫などのデータを遠隔地からリアルタイムで確認できるオペレーションシステムと、梱包材の使用量を7割減らしたことも並んでいます。リリースの末尾には、「本リリースに掲載している情報(製品仕様や価格、問い合わせ先等)は発表日時点のものであり、予告なく変更する場合もございます」という注記があります。
富士電機の製品ページでシリーズ表示のある機種
富士電機の「缶・ボトル・紙容器(パック)飲料自動販売機」のページでは、次の機種の型番に「[サステナ自販機シリーズ]」の表示が付いています。セレクション数・収容量・寸法は、ページの各機種の欄に載っている値です。
| 型番 | セレクション・押ボタン | 収容量 | 寸法 |
|---|---|---|---|
| F20WP5F | 20セレクション 24押ボタン | 412本(250mL 細缶換算) | 高さ1830×幅870×奥行669mm |
| F25WP5F | 25セレクション 30押ボタン | 515本(250mL 細缶換算) | 高さ1830×幅1027×奥行669mm |
| F30WP6F | 30セレクション 30押ボタン | 595本(250mL 細缶換算) | 高さ1830×幅1027×奥行741mm |
| F30WP5F | 30セレクション 36押ボタン | 618本(250mL 細缶換算) | 高さ1830×幅1185×奥行669mm |
| F36WP6F | 36セレクション 36押ボタン | 714本(250mL 細缶換算) | 高さ1830×幅1185×奥行741mm |
| F30TP6F | 30セレクション 36押ボタン | 595本(250mL 細缶換算) | 高さ1830×幅1185×奥行741mm |
| F30QP6F | 30セレクション 36押ボタン | 595本(250mL 細缶換算) | 高さ1830×幅1185×奥行741mm |
| F36TP6F | 36セレクション 36押ボタン | 714本(250mL 細缶換算) | 高さ1830×幅1295×奥行741mm |
| F36QP6F | 36セレクション 36押ボタン | 714本(250mL 細缶換算) | 高さ1830×幅1335×奥行741mm |
| F42QP7F | 42セレクション 42押ボタン | 792本(250mL 細缶換算) | 高さ1830×幅1335×奥行853mm |
同じページのトピックスには、「サステナ自販機シリーズが「2023年度省エネ大賞」の経済産業大臣賞を受賞」とあります。シリーズ表示のある各機種の欄には「カタログダウンロード」の案内が付いています。候補の型番が決まりましたら、当社でもカタログを確かめてお返事します。
トップランナー制度で決められた「kWh/年」
省エネポータルサイトは、トップランナー制度について「対象となる機器や建材の製造事業者や輸入事業者に対し、エネルギー消費効率の目標を示して達成を促すとともに、エネルギー消費効率の表示を求めています」と説明しています。目標となる省エネ基準(トップランナー基準)は、「現在商品化されている製品のうち、エネルギー消費効率が最も優れているもの(トップランナー)の性能に加え、技術開発の将来の見通し等を勘案して定めています」とされています。同じページの対象品目の一覧には「自動販売機」が載っています。
自動販売機のページでは、エネルギー消費効率を「JIS B 8561(2007)に規定する方法により測定した年間消費電力量(kWh/年)とする」としています。対象範囲は「飲料を冷蔵又は温蔵して販売する自動販売機(缶・ボトル飲料用自動販売機、紙容器飲料用自動販売機、カップ式飲料用自動販売機)」です。ただし、次のものは除かれています。
- 専ら船舶において用いるためのもの
- 専ら鉄道車両において用いるためのもの
- カップ式飲料自動販売機のうち電子冷却(ペルチェ冷却等)により冷却しているもの
- 卓上型のもの
- ビール(発泡酒を含む)以外のアルコール飲料用のもの
缶・ボトル飲料の機械の区分と算定式
缶・ボトル飲料の自動販売機は、ページの表で次の区分に分けられ、区分ごとに基準エネルギー消費効率の算定式が示されています。
- 区分Ⅰ:コールド専用機又はホットオアコールド機、E=0.218V+401
- 区分Ⅱ:ホットアンドコールド機(庫内奥行寸法が400mm未満のもの)、E=0.798Vₐ+414
- 区分Ⅲ:ホットアンドコールド機(庫内奥行寸法が400mm以上のもの)のうち電子マネー対応装置のないもの、E=0.482Vₐ+350
- 区分Ⅳ:ホットアンドコールド機(庫内奥行寸法が400mm以上のもの)のうち電子マネー対応装置のあるもの、E=0.482Vₐ+500
目標は、エネルギー消費効率を区分ごとに出荷台数により加重平均した値が、各区分の目標基準値を「上回らないようにすること」とされています。目標年度は「2012年度以降の各年度」です。省エネ効果としては、「2012年度に目標年度を迎えた自動販売機については、目標年度(2012年度)において2005年度比約48.8%の効率改善」と書かれています。
勧告及び命令の対象となるのは、国内向け出荷に係る年間の生産量又は輸入量が「300台以上」の、製造又は輸入の事業を行う者です。表示事項には「品名及び形名」「区分」「エネルギー消費効率」「製造事業者等の氏名又は名称」などが挙がり、表示場所は「性能表示のあるカタログ及び機器本体の見やすい箇所」とされています。
候補の型番がわかったら
年間消費電力量を確かめたい機械があれば、メーカー名と型番(形名)を控えてお知らせください。中古機の場合は、本体に貼られた銘板や表示の写真を添えていただければ、メーカーの資料と照らし合わせます。
中古機を選ぶときの年式や状態の見方は「中古自販機で失敗しない購入前チェックリスト」に、新品と中古の違いは「自販機を「新品」で買うという選択」に書いています。当社の在庫は在庫ページで、中古・新品・汎用機まで案内しています。今の機械を手放す場合の処分・廃棄・買取は、処分・買取のページで受け付けています。
サステナ自販機シリーズを当社で取り寄せられるかは、機種ごとにメーカーに確かめてお答えします。候補の型番と置き場所(屋内か屋外か、ホットを使うか)を添えて、お問い合わせフォームからご連絡ください。
出典
- 富士電機株式会社「大幅な省エネを実現する「サステナ自販機シリーズ」の発売について」(2022年10月20日)
- 富士電機株式会社「缶・ボトル・紙容器(パック)飲料自動販売機」
- 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「エネルギー消費機器製造事業者等の省エネ法規制」
- 経済産業省 資源エネルギー庁「トップランナー制度 17 自動販売機」
情報確認日:2026年10月28日


