自販機の設置に必要なスペースとは?「置ける」ではなく「運用できる」寸法の考え方

自販機を設置する時は「本体が置けるか」だけで判断すると、あとから補充や故障対応ができずに詰みます。大切なのは ①本体寸法 に加えて、②扉の開閉スペース③作業スタッフが出入りできるスペース をセットで考えることです。

この記事では、現場でよくある “幅は足りてるのに運用できない” 失敗を防ぐために、必要寸法の考え方を分かりやすくまとめます。


まず前提:自販機の扉は原則「右ヒンジ」

自販機の前面扉は、原則として右ヒンジです。
ここでいう「右ヒンジ」とは、

  • 正面に立ったスタッフから見て左側に開く
  • ヒンジ(支点)は本体の右側(スタッフから見て左側)
  • 扉は左方向へ回転して開く

という意味です。

この前提を理解しておくと、「壁寄せしたら扉が開かない」「作業ができない」といったトラブルを避けられます。


自販機設置で必要なスペースは「3点セット」

設置に必要なスペースは次の3点で決まります。

  1. 本体が置けるスペース(幅・奥行)
  2. 扉を開けるスペース(開閉角度別)
  3. 補充・清掃・整備で人が動くスペース(前面)

このうち見落とされがちなのが 2 と 3
「置ける」=「運用できる」ではありません。


① 本体寸法:最低でも W と D が必要

自販機には機種ごとに外形寸法があります。ここでは例として、比較的よくあるサイズの W89cm × D73cm(W890mm×D730mm) を使って説明します。

  • 本体設置に必要な幅:W 890mm 以上
  • 本体設置に必要な奥行:D 730mm 以上

ここまでは想像しやすいですが、問題はここからです。


② 扉を90°開けると「D+W」の奥行が必要

自販機の補充・整備は前面扉を開けて行います。
扉を90°まで開けるために必要な奥行は、目安として

必要奥行 = 本体奥行D + 本体幅W

例:W890×D730の場合
730 + 890 = 1,620mm(約162cm)

つまり、設置場所の奥行が 730mm あっても、
扉を開けて作業するには 1,620mm 程度が必要になります。

ここが確保できないと、補充や点検のときに扉が開かず、作業が成立しません。


③ 135°まで開けたい場合は「幅(張り出し)」に注意

「扉を大きく開けたい」「作業をしやすくしたい」という場合、
90°より先の 120°〜135° を想定することがあります。

このときは奥行だけでなく、横方向(幅) の張り出しも効いてきます。

例として 135°開放 の場合、必要幅の目安は

必要幅 = W + 0.707W(=約1.707W)

W890mmなら
890 + 629 ≒ 1,519mm(約152cm)

設置幅が 1,420mm などの場合は、
135°までの全開放は物理的に厳しい、という判断になります。


現場では“α(余裕)”がほぼ必須:50〜100mmは見ておく

図面上ギリギリでも、現場は理想通りになりません。

  • 壁の出っ張り(巾木・手すり・配線カバー)
  • 本体の取手や角の逃げ
  • 搬入時の養生
  • 設置位置の微調整

こうした理由で、最低でも 50〜100mm 程度の余裕(α)を見ておくのが安全です。
「寸法上は入るはず」でも、現場で入らないケースは本当に多いです。


運用目線で最重要:作業スタッフの前面スペース

扉が開いても、人が立てなければ作業できません。

補充・清掃・故障対応を現実的に行うには、
扉90°開放の奥行(D+W)に加えて、スタッフの立ち位置が必要です。

目安として

  • 作業スタッフの最低スペース:+600mm 程度

例:W890×D730の場合

  • 扉90°開放奥行:1,620mm
  • 作業スペース:+600mm
  • 合計:2,220mm(約222cm)

「設置はできるけど補充が地獄」にならないための重要ポイントです。


右ヒンジ前提だと「壁寄せ」する側で可否が変わる

原則右ヒンジの場合、扉は左側へ開くので、

  • 左側を壁に寄せすぎると、扉が壁に当たって開かない
  • 右側を壁に寄せる方が、扉は開きやすい

という傾向になります。
「どちらに壁があるか」「どちらに寄せて置くか」は、扉開閉の成否に直結します。


まとめ:設置前に確認したいチェックリスト

  • 本体寸法(W・D)は何mmか
  • 扉を何度まで開けたいか(90°/120°/135°)
  • 扉90°開放の奥行(D+W)が確保できるか
  • スタッフの立ち位置(目安+600mm)が取れるか
  • 壁・巾木・手すり等の出っ張りを含めてα(50〜100mm)を見たか
  • 右ヒンジ前提で「左側に壁が近すぎないか」 を確認したか

設置スペースの寸法だけでは判断が難しいケースも多いです。
「この場所に置けるか?」「扉は開くか?」「補充・故障対応ができるか?」まで含めて確認したい場合は、**見取り図(手書きでOK)**と、下記の写真・寸法をお送りください。こちらで 設置可否(開閉角度の目安)必要クリアランス を整理してご案内いたします。

送っていただきたい内容(スマホ撮影でOK)

1)設置場所の全体(引き)

  • 設置予定位置から 2〜3m離れて 周囲が分かる写真を1枚
  • 反対側からも1枚(計2枚あると確実)

2)搬入経路(入口〜設置場所まで)

  • 入口(扉)の正面写真(扉枠が写るように)
  • 廊下・曲がり角・段差・エレベーター前
  • エレベーター内部(幅・奥行が分かるように)

3)設置予定位置の左右

  • 設置位置に立って 左側・右側 それぞれ1枚
  • 巾木・手すり・配線カバー・柱など出っ張りがあればアップも

4)上部の干渉物

  • 梁・棚・消火設備・点検口など、当たりそうな物が分かる写真

5)寸法が分かる写真(メジャー当て) or 手書き寸法
最低限、下記のどれかが分かると判断が早いです。

  • 入口(扉幅)
  • 通路幅(最も狭いところ)
  • 設置スペースの幅・奥行
    ※メジャーを当てて撮影、または手書き寸法でもOKです。

6)簡易見取り図(手書きでOK)
入口→曲がり角→設置位置までの流れと、幅が狭いポイントだけで十分です。


必要情報が揃うと、本体寸法+扉の開閉(90°/120°/135°)+作業スタッフのスペースまで含めて、現実的な設置可否を判断できます。お気軽にご相談ください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP
電話する メールする ネットショップ